8/27 乗鞍ヒルクライム


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初めて乗鞍ヒルクライムに参加してきた。アクセスが悪いし宿泊所もないので気が向かなかったが、やはりヒルクライムをメインにやってる人間としては一度は参加しておきたいいイベントである。この先何があるかわからないし、やりたいことはとっととやっておくに限る。

結果から言うと65分6秒、年代8位。初参加なので現状の僕の実力からしてこの成績が良いのか悪いのかよくわからない。苦手な高標高地による重苦しさ、レース直前の悲劇的なトラブル(後述)による精神的ショック、パワーメーターの数値が確認できないという中々難儀な状況の中でまあまあ奮闘できたという思いもあるし、ひょっとしたら暑熱ブースト効果が高標高地での弱さを相殺してくれるんじゃないかという淡い望みが完全に期待外れだったという失望もある。いろんな思いがあるが、結果的には参加してよかったし、最初で最後のつもりだったが、早くもまた参加してみたいと思い始めている。

・前日
妻が数日前から妻が体調を崩しており容態によってはDNSも考えていたが、幸い金曜には快方してる様子なので予定通り出発。今回は車中泊ということでいつもより荷物が多いが、事前に準備は済ませていたので、頭と脛毛だけ刈って5時半に出発。

10時半に会場に到着。広くてトイレがある一ノ瀬遊園の駐車場へ向かう。駐車場はすぐに埋まるというのを聞いていたので早めに出たのだが、まだ半分くらいしか埋まっていないので余裕で停められた。

それにしても暑い。とてもじゃないが車内にはいられない。しかしまだ昼にもなっていないし、就寝時までどうやって時間を過ごそうか。とりあえず参加賞としてもらった割引券が使える「湯けむり館」へ行く。ここならまとまった時間を過ごせるだろう。信州らしい濃厚なお湯で源泉かけ流し。冬なら最高だろうが、この時期はいささか暑すぎる。10秒くらい浸かってからはお湯の外で涼んでいた。

休憩所で仮眠、読書、英語アプリでのんびりと過ごす。外はちと雲行きが怪しい。いつゲリラ豪雨がきてもおかしくない。とっとと受付を済まして車に戻る。この頃には少し涼しくなっていたので過ごしやすかった。

夕方になると肌寒い。車内に入って本を読む。随分前にKindleに入れたあったパール・バックの「大地」。翻訳が古いから何となく文章に違和感がある。有名な作品なんだからそろそろ新訳を出して欲しいところである。それにしてもこういう時、電灯のいらない電子書籍は便利だ。

6時半には眠くなり7時前には就寝。レースの前夜は大体この時間に寝てしまう。

夜中に雨で何度か目覚める。小便をしたいがこの雨では出られない。仕方なくペットポトルに排尿する。トラックドライバーの尿入りペットボトルが国道に放棄されているというのがニュースになっていたが、もちろん僕は翌朝ちゃんとトイレに流しましたよ。ペットボトルも水ですすいで捨てました。

床はキャンプツーリング使うアルミマットとヨガマットを敷いたが、これでも固いですね。骨がゴツゴツして寝心地が悪い。もっと分厚いのが必要だわ。

雨音、小便、ゴツゴツした床、枕無しなど、就寝にネガティブな要素が多かった割に、よく眠れた。

・当日
4時くらいに起床。続々と車が入庫してきて騒がしくなってくる。お湯を沸かしてコーンスープをつくり食パンを浸して食べる。7時50分スタートなので余裕がある。朝食を終えて一息ついてから1時間ローラー。心拍がするすると上がり調子がいい。

時間になったので会場へ向かう。まずは便所へ行って「軽量化」。朝一で済ませてはいるがまだ出そうなので仮設トイレの列に並ぶ。既に半分くらいの人がスタートしてるので行列は少な目、すぐに順番がきた。

いつもサイコンは自転車に付けっぱなしにしておくのだけど、何故かこの時は盗難が気になり、取り外してポケットに入れておいた。トイレの時は邪魔になりそうなのでポケットから出して、横の棚に置こうとしたのだが、置いたまま忘れてしまそうなのでポケットに入れたままにしておいた。

そしてワンピースを下ろした時、黒い物体が便器の穴に一直線に落下したのを目撃した。刃牙でよくある「ッッー!!」と言葉にならない呻き声が出た。とりあえず排便を済ませて(こういう時でも出るものは出るもんだ)トイレから出る。しばらく放心状態になってしまう。高価なものを失ったショックもあるが、差し当たり初めての、しかも乗鞍というロングコースを時間も距離もわからない状態で走るのかという失望感に苛まれる。

ここは誰かに笑い話として聞いてもらって気を紛らわしたい。ちょうとスギゾーさんをお見掛けしたので「いやー、さっき便所にサイコン落としてしまいましてねー(笑)」とお声かけしたのだが、特に何の反応もない。そこは「マジっすかーww」みたいなリアクションが欲しかったのだが...。まあ周囲は騒がしかったし僕の声がちゃんと届かなかったのだろう。

そんなやり取りをしている中、どなたかが声を掛けてきてくれる。ロードロの石積さんた。事の顛末を離すと「マジっすかーww」と期待通りの反応を返してくれて少し気持ちが落ち着いた。

「サイコンもう一個あるのでお貸ししましょうか。宿は近くなんですぐに持ってこれますよ」と嬉しいサプライズ!ありがたいですなあ。もちろん好意に甘えさせてもらう。機種も僕と同じEdge530だし使い方も慣れている。

パワーメーターはスマホアプリを使ってのペアリングが必要なので接続できなかったが、時間と距離がわかるだけで十分である。ほんと助かったなあ。

スタートまで石積さんと談笑しながら過ごす。リラックスした状態でスタート。

特に何の戦略もなくただ走るだけ。速いグループにツキイチしてみたが、じきにドロップ。この上げ過ぎが響いて後半はタレにタレまくる。

カウ群馬の方が追い抜いてきたのでツキイチさせてもらう。平坦ではついて行けるが勾配が上がると千切れそうになる。キツい。富士ヒルと同じキツさだわ。

「井口さん、回せますか?」と声を掛けられる(存じ上げない方だが何故か名前は知られている)が、「ゴメン、無理っす...」と力なく答えるのが精一杯。その後、彼はペースを上げて先に行ってしまった。

ここからは一人旅。既に下山は始まっていて、道が細くなるゴール付近は登る人と下る人で過密状態となっている。この状況だと前の人を追い越すのもとても難しい。多くの人がチャンピオンクラスを選ぶのはこれが理由だったのか。

そしてゴール。僕が確認した範囲だと6番手くらいか。実際は僕が先頭だと思っていた人の前に1人いたのと、僕が抜いた人が僕より後に計測スタート地点を通過した関係で、順位はその方より後となり8位であった。まあリザルトを求めていたレースではないし順位はどうでもいいな。

そうして初乗鞍は無事終了。みんなが目標にするだけあって魅力的なイベントであった。改めて高標高での弱さを露呈したわけだが、弱いなら弱いなりに走り方があるのではという発見もあった。