久しぶりに長い休暇をもらって北海道に行ってきた。以前は1週間くらいの休暇は比較的取りやすかったものだが、職場環境も変わり、そういうのはちと難しくなっていた。とは言えまだ新婚旅行もしてないし、行ける時に行っておかないということで強引に有休を取得してやった。
なんで北海道かというと、毎年この時期になると妻が皮膚病の治療の為に3週間ほど「豊富温泉」という稚内から南に50kmほどのところにある豊富町内の温泉に湯治として通っていて、それに便乗したら楽しいんじゃねぇのかなと思ったから。道北なんて中々行く機会も無いし、宿も妻が泊っている湯治者用の自炊型の施設で安く泊まれるので、これはもう行くしかないだろうと。
豊富までは新千歳空港からバスで行くのが手軽なのだが、早割だと稚内空港まで2万円でチケットが買えるし、自転車を持っていくので飛行機で行くことにした。
自転車も当初は以前に一度使ったことのある自転車用宅配業者を使うつもりだったのだが、その時に購入した段ボールは邪魔過ぎて昨年の引っ越しの時に捨ててしまっていたし、また大量の緩衝材が送られるのも困るので初の航空輪行に挑戦することにした。
メルカリでOS500を購入。これはいいですね。ペダルとホイールを外して袋に放り込むだけ。ごちゃごちゃクッションをつけたり、紐でくくったりすることがない。袋自体が重いので中々のズッシリ感だけど、持ちやすいし横置きで地面から距離があるのでぶつけるリスクが低い。縦置き型は地面スレスレになるのであちこちぶつけてしまった。
東海道線の先頭車両に乗り込む。ラッシュの時間は過ぎていたので問題無く乗り込めたが、すぐ横で足を踏んだ踏まないで口論が始まり一触即発のムードに。「マジかよ!勘弁してくれー」と冷や冷やしたが、幸い殴り合いにまで至らずに済んで胸をなでおろす。
横浜で京急空港線に乗り換え。これが中々の混雑具合でちょっとしんどかった。今から思うと藤沢から空港バスでよかったかな。
羽田空港では自転車は通常の荷物とは違う窓口での手続きとなり、これがすごい行列で40分くらい待たされた。
輪行峠を無事クリアして、あとは飛行機に乗るだけ。2時間ほどのフライトで稚内空港に到着。ベルトコンベヤーの前でずっと待っていたが、中々来なくてとりあえず先にトイレでも済ましておくかと移動すると、既に別の場所に置かれたいたのを発見。自転車はちゃんと配慮してくれるんだね。
空港に迎えにきてくれた妻と合流する。2週間ぶりの再会となる。自転車を組み立て、妻が宿から借りてきてくれたポンプで空気を入れて、荷物を全部妻に預けて、豊富温泉まで50kmのサイクリングに胸を躍らせる。北海道らしい気持ちの良い快走路で、さぞ気持ち良いのだろうなと思いきや、ものすごい爆風ですこぶるつらい。この辺りは木が少ない平原地帯なので、吹き晒しでガンガン風に当てられる。50kmずっとこれが続くんか...。
ゆるいアップダウンはあるものの基本的には平坦。ひたすら回すしかない。向かい風とは言えさすがは北海道、一度も止まることがないので1時間40分ほどで豊富に到着。
ジンギスカン食ってビールでも飲みたいところだが、数日前にベトナム料理を食べてからひどい口内炎に見舞われ、まともに物を食べられない状態が続いていたのでジンギスは断念。妻が夕食を用意してくれていてそれを頂く。これはこれでいいもんだ。食後は温泉へ。
豊富温泉は湯治客がメインだが、当然一般人も入浴できる。原油が混じった独特の温泉で灯油の臭いがほのかに香る。この泉質の何が皮膚病に効くのかは、科学的にはちゃんと解明されてないらしいのだが、効くことは間違いないので全国から人々が訪ねてくる。こういう温泉は世界的にも珍しく、他にはアゼルバイジャンにあるくらいだそう。アゼルバイジャン....日本にあってよかったなあ。