10/9 帰省3日目


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父親が朝食を作ってくれた。卵焼きとひじきの煮つけ。美味しい。元々は典型的な専業主婦の家庭で、実家にいる頃は父親が家事をしているところなんて見たことがなかったが、母親がああいう風になってから父親のいろいろな面を見れるようになった。本人が言うには、結婚する前は一人暮らしをしていたから家事は不得意ではないのだそうだ。

この日は母親がデイケアに行く日だが、時間になっても起きてこない。父親が大声でお越しにかかるが、頑としてふて寝を決め込こんでいる。こうなるとどうしようもない。諦めるしかない。週2回の契約だけどまともに行くことはまずないらしい。「ちゃんと行ってくれると、こっちも助かるのだけど」と父親が嘆く。

とは言え寝ててくれるとそれはそれで助かるらしい。起きてきてウロウロし出すと厄介なので、今のうちに柱の清掃の続きをしようということになった。

専用の洗剤だけあって、かなり綺麗になった。これでしばらくは持つかな。

その後、父親の散歩に付き合い、数キロほど一緒に歩く。今後の事、親戚の話、近況などいろいろ話をする。父方の叔父はみんな元気らしい。夫人の方は亡くなったり、要介護になったりしているが。

最後に「一人旅とかしてみたいよな...身軽な人がうらやましい」としみじみ語っていたのが印象的であった。

帰宅時、母親が外に出ようとしているのに出くわす。町内をグルっと一周だけするらしい。不安なので後をつけて様子を見る。道路を横切る時は左右の確認をしているし、ちゃんと歩道を歩いている。とりあえず今のところ問題は無さそうが。でもいずれはこれが徘徊老人への道につながるんだろうな。

蓬莱で豚まんと焼売を買う。今まで帰省時は大量の食事を用意してくれていたので、他の物を食べる隙がなかったが、今になってようやく王将や蓬莱といった子供の頃に慣れ親しんだグルメを楽しむ余地ができた。当時は特に何も思う事なく食べていたこれらの地元フード、関東に来てこちらの外食の不毛さ、当たりはずれの多さを知った今となっては、極めて優秀なものなんだと認識するに至った。

帰宅時になってようやく母親の機嫌がよくなってきた。とは言えもうまともな会話は出来ない。なんかもう完全にあっちに行ってしまったなあと。外見だけ何となく母親の面影を残しているが中身は別物で、本能のままに行動する別の生物になった感じ。僕の知ってる母親は完全にいなくなった。とうとう来るべきものが来たなあと。

散歩途中の公園で盆栽展が開催されていたので入ってみた。可愛らしい盆栽がたくさん。この小さいリンゴは盆栽用にいろいろ交配して作るのだそうだ。