サイクルロードレースに関しては疎いので、土井雪広という人のことは何も知らないのだけど、さらっと立ち読みして面白かったので購入した。
初心者向け、ではない。FTPとかTSSといった言葉が頻繁に出てくるので、レースのための本格的な練習をやっている人向けに書かれた本だろう。僕もその辺はチンプンカンプンなので斜め読みするしかなかった。それでも機材の選び方や基本的なフォームについての箇所はとても興味深く読ませてもらった。
中でも印象的だったのはペダリングについて。最近のガチャガチャと速く回すことを良しとする風潮に苦言を呈した上で、
そのためには脚先でちょこちょこ回るのではなく、大きな筋肉を動員しなければならない。いわゆる「体幹」を使え、と。
ここまでなら他の本と変わらない。最近は空前の「体幹ブーム」で何でも体幹体幹とやかましい。体幹さえ鍛えれば全てが上手くいくような誇大妄想じみた書籍さえある。ロードバイクも例外ではなく、大抵の本には「体幹ペダリング」を推奨している。
僕はこれがわからなかったわけ。「なんだよ体幹って。そんなとこで漕げるわけないだろ。脚で漕ぐに決まってるじゃん。クソが」などと思ってたわけ。そもそも体幹の筋肉なんて意識しずらい場所にあるし、そんなところを使えなんて言われてもどうしていいかわからない。
僕のこの疑問に、この本はちゃんと答えてくれている。
そのために、ペダリングの最中に筋肉の動きを確認してみよう。トルクをかけ始めた時に、まず硬くなる(力を発揮する)のは体幹の筋肉でなければいけない。写真の箇所(腰あたり)に指を当てながらペダリングをして、ちゃんと体幹を使えているか確認してみよう。
要は「指当てて硬くなってたらOK」という単純なもの。目からウロコが落ちた。そうだよなあ、筋肉は使うと硬くなるよな〜、わかりやすいなあ〜、というわけで早速試してみた。
ロードバイクは来週のしまなみ海道旅行のため、既に発送してしまっているので買い物ついでにクロスバイクでやってみた。まずは普段通りのペダリングをしてみる。腰の筋肉に何の変化もなし。次に脚に力を入れずにただペダルに置くだけにして、腰回りを意識して踏んでみた。おっ、硬くなっとる。これだ。
体をエンジンに見立てるならば、腰回りがシリンダー、脚がコンロッド。腰でパワーを発揮して脚はそれを伝える棒というイメージかな。
最近のライドでは脚が疲れることが多かったので、このペダリングは試してみる価値はある。しまなみ海道ライドでやってみよう。