達人の教えはシンプル


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「体幹の筋肉を使えているかどうかは、手で触れてみて確かめる」というシンプルな方法に感心したというのは土井選手の著書の感想で書いた。

これで思い出したのは1991年に書かれた元巨人のウォーレン・クロマティ選手の自伝「さらばサムライ野球」という本。

当時の巨人監督、王貞治が不振に陥ったクロマティを飯に誘い、アドバイスをするシーンがある。左肩が下がりアッパースイングになっているということを指摘した上で、

「左の脇の下に本を挟んでいるつもりで、それを落とさないように振るんだ。肩が開くと、本は落ちてしまう」

振りながら左肩を開くと、雑誌はポトリと落ちた。もう一度やってみる。今度は左肩を残して振ると、雑誌は落ちなかった。

驚くほど簡単な理論だ。ほかの打撃コーチは、肩が上がらないようにするために、ややこしい方法を四つも五つも無理やり俺の頭に詰め込もうとする。

 達人の教えというのは案外シンプルなものなのかも知れない。

ちなみにこのクロマティの自伝は原の悪口とかいろいろ書かれていて超面白いので、この時代のプロ野球が好きな人にはおすすめ。

さらばサムライ野球

さらばサムライ野球

 

 

さらばサムライ野球 (講談社文庫)

さらばサムライ野球 (講談社文庫)