第14回富士ヒルクライム 6 まとめ

いろいろあった今年の富士ヒル。「こんな大会、もう二度と出るかよ」と思った時もありましたが、時間の経った今では徐々におもろい思い出となってきております。所詮は遊びですからね、遊んでる最中のトラブルは往々にして良き思い出となるもの。海外旅行中のトラブルがそうであるように。

怪我も落車もなかったし、レースでは全力を出せた。それで十分じゃないですか。こういうビッグイベントは回を重ねるごとに洗練されているので、いずれは「あの時の富士ヒルは酷かったんだぜ」みたいな話になるのではないでしょうか。

やっぱりレースとして富士ヒルは面白いです。ちょっと別格ですね。文句言いながらも来年も出るんだろうなと思います。

ブログで度々書いているように僕は混雑するレースが苦手で、小じんまりとした小規模なレースの方が好みではあります。しかし富士ヒルだけは別、このまま大規模拡大路線を邁進するべき。「人数が多すぎる」「キャパオーバーだ」みたいな大衆の戯言に耳を貸す必要なんてないですね。来年は5万人くらい集めて欲しいです。カオス過ぎて面白いんじゃないかと思います。暴動なんて起きると最高っすね。

第14回富士ヒルクライム 5 レース後

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さあ果たして荷物はちゃんと届けられているのかどうか。

預ける時に「上で仕分けるから」と言われたので、一応出走ウェーブ順に振られた荷物置き場を探してみるが見つからない。近くにいたスタッフに聞いてみると「最後のトラックの荷物は上(ゴール付近、商店が並んでるところね)にありますよ」とのこと。筋肉痛の脚を引きづりながら坂を登る。で、探してみるが見つからない。近くにいたスタッフに聞いてみると「下にありますよ」とのこと。筋肉痛の脚をひきづりながらまた下る。もう一度入念に探してみるが、やはり見つからない。筋肉痛の脚を引きづりながらまた登る。

登ったり下ったりしてる時にボリコさんが声をかけて下さったのだけど、寒さと筋肉痛の為、塩対応となってしまい失礼しました。

上がると荷物置き場に人だかりができていて騒ぎになってます。「俺の荷物、ねぇんだけどどうなってんだ」と高校生くらいのスタッフに詰め寄るピチパンのおっさん達。スタッフは何も知らされていないらしく困惑している。

体が冷えてきてめちゃくちゃ寒い。腹も減っている。参ったなこりゃ...どうすんだ...そうだ、さっきそこにいたボリコさんに余分なウェアがないか聞いてみるか...あと金も借りれればいいな、富士国際で返せばいいし....

その時、背後で「良かったらお菓子どうぞ~」の声が聞こえる。地元の方がおやつを提供して下さっている。神の恵み!ヴァームクーヘン、黒糖系のお菓子が並んでいて、ワシ掴みでジャージのポケットに放り込んでいく。品のない振舞いだけど、今は緊急事態だ、背に腹は変えられない。ほんとこれには助けられました。これがなければどうなってたかわからない。ありがとうございます。

荷物置場はさらに人が増えて大混乱。怒号が乱れ飛んでいます。スタッフのリーダーっぽい人が来たけど彼も事情がわかっていない様子。とにかく寒くて外にいられないので、レストハウスに避難します。

このレストハウスも寒くてね。ストーブは置いてあるけど、この広いフロアを暖めるにはやや力不足。しかしまあとりあえずは人心地つけたので、先ほどワシ掴みにしてきたお菓子を頬張る。旨いの~。

少し落ち着いたので状況を偵察しにいく。どうやら第2陣のトラックというものがあって、届いていない荷物はそこにあるらしい。なるほど。じゃあレース終わってからだな、ここは腹を決めて長時間待機を覚悟する。ついでにお菓子を追加調達。状況が見えてきたので大分混乱が収まったようだが、おじさんが一人だけしつこくごねている

「そのトラックはいつ来るんだよ!」
「ちょっと時間はわからないです。お答えできません」

こんなやり取りを延々と繰り返していて、ついにそのスタッフがキレて

「はい、はい、はい、はい、わかりました、わかりました、わかりました、わかりましたよ(怒り)」

不毛な議論を聞いていてもしょうがないので、レストハウスに戻る。

後はひたすら待つだけ。何度かお菓子を調達しに行くが、いつ行っても山盛り状態だ。あれだけ人が群がっている上、僕みたいに大量にワシ掴みにしている輩が多いのにも関わらず、確変中のパチンコ玉みたいに湧き出てくる。ありがたいことだ。

いろいろ文句垂れてますが、僕なんかまだレストハウスで待てるだけマシな方で、後からゴールした方たちは、満杯になったレストハウスには入れず、気の毒なことに寒い廊下でうずくまりながら待っていました。あれはキツイ。

窓際に座っていたのでゴール付近の様子がよく見える。雑兵ジャージの方もちらほらと確認できる。そのうちゴールしてくる人が徐々に減ってきた。そして12時半頃、ようやく大型トラックがやってきた。近くで歓声が上がる。皆さん飛び出していきますが、すぐに荷物が下ろせるわけでもないので、しばらく待ってから向かう。

ようやく荷物回収。さっさとカバンに入れていた補給食を食って着替えて下山します。下山時、妙にスピードの加減速が激しく、スピードが緩むと一気に集団が密集するので怖かったです。

会場について計測チップを返却してさっさと撤収。もう混雑はコリゴリなのでうどんも食べなかった。まっすぐ山中湖PAまで走る。いいクールダウンになりますな。

第14回富士ヒルクライム 4 レース展開

昨年はもみくちゃにされて、大きく出遅れたパレードラン。今年は何故か超スローペース。これこそまさにパレードランだ。まったりと計測地点を通過してレースが始まる。

体の動きがすこぶる良い。最近の峠TTでも感じていることだが、僕の場合、ウォーミングアップはヘトヘトになるくらいまでやった方がいいのではないかと思う。3000番台最後尾スタートなので、それなりの密集度だが難なくクリア。適当にトレインを乗り換えながら前に出る。

レース中、僕はサイコンをほとんど見ない。区間タイム表もまず見ることはないから、最初からつけてない。ヒルクライムはコンディションが全て。コンディションが良ければ想定タイムで走れるし、悪ければ底なしに落ちていく。そういうもんだ。サイコンや区間タイム表を見たところでコンディションが上がるわけではない。で、その大事なコンディションはとてもいい!

中盤は人が少なくて単独走を強いられることが多かった。ここは堪えどころ。口の渇きが気になる。やはりボトルは持つべきだったかな、などと思うが今はレースに集中すべき時。今更どうにもならないことを考えても意味がない。雑念は振り払う。

中間地点を通過。70分切りペースは保っているが、じわじわとスピードが落ちていくのがわかる。こういう緩斜面はどうも苦手だ。独走力が弱い。何とか集団を捕まえてペースアップしなければ。

大沢駐車場の手前、ようやくいいペースの集団を捉える。単独走の時にペースダウン覚悟で脚を溜めていたのをここで解放、これで一気に最後までいく。平坦区間に入って70分切りを確定させる。特に競り合う人もいなかったので、最後の坂は目標達成のゴールを味わうべくまったりと。

想定タイムぴったりの68分台でゴール。よかったよかった、とっとと下山して帰宅して酒飲んで寝て終了、(完)となるはずだったのだが、真の試練はここから始まる。祭りはまだまだ終わらない。(つづく)